日本裏ばなし

vol.1-1 なんで選挙にネットを使わないの?

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(ゲスト)
堀江 貴文さん (実業家、元ライブドア株式会社代表取締役社長)
中田 宏さん (日本創新党 代表幹事、前横浜市市長)
(聞き手)
熊谷 正寿 (GMOインターネットグループ代表)

 
熊谷 さて、今日は日本の若者にもっと選挙に行ってもらおう!というテーマを3人で話し合ってみたいと思います。
選挙といえば、先日閉会した6月の通常国会で、ネット選挙運動解禁法案の成立が見送られちゃいましたね。
このままじゃ日本の若者が選挙にますます行かなくなるんじゃないかという危機感を私は持っているんですが、そもそも、なんで日本って選挙にインターネットを活用したら駄目なんでしょうね?ネットで直接投票するとか、そういう合理的な方法はなぜ実現しないのでしょうか?
中田 いや、技術的にはできるんですよ。できるはずなのにやらないんです。もっともネットに関わらず、とにかく日本の選挙って「やっちゃいけないこと」だらけなんですよ。例えば何か文書を配るにしても枚数は制限されているし、一枚ずついちいち証紙を貼らなくちゃいけないとか、ビラまきのスタッフを雇っちゃいけないとか。
堀江 そうそう、チラシを配るときも必ず『腕章』を付けなきゃいけないとか、ね。僕も2005年に衆議院選挙に立候補したときに、母親がよかれと思って勝手に事務所からチラシを持ちだして、駅前でチラシ配りをしたんですよ。そしたら警察から「おばさんが、堀江さんのチラシを勝手に配ってますよ」って、連絡が。で、行ってみたら、母親だったという…(笑)。腕章を付けなきゃいけないなんて知りませんからね、普通の人は。
中田 選挙の時にはインターネット上の文章も紙の文書と同じようにみなされているわけですよ、今の法律だと。だからチラシとかビラのような紙の文書と同じようなルールで取り締まりたいわけ。でもインターネットだとそうはいかないでしょ?うまく取り締まれない。だからネットはダメってことになっちゃう。
堀江 金持ちの候補を有利にしないための法律なんですよ。ビラやらチラシやらをどんどん刷って、ビラ配りのスタッフをどんどん雇ってどんどん配れば、それなりに知名度はあがりますから、資金力のある候補の方が有利になっちゃう。それは不公平だということで、いろんな決まりを作ってきたんです。でもインターネットってほとんどお金が、かからないですよね?なのに、紙の場合と同じように取り締まろうとしているんです。もはや法律の趣旨を逸脱しちゃってますよね。
でもね、実は地方自治体レベルだとこのルールをすでに破っている人がいるんですよ。
誰だと思います?
鹿児島県阿久根市の市長です。この人、『ブログ市長』なんて呼ばれて、いろいろ騒ぎを起こしていますけど、実は市長選の途中にブログを平気で更新していたんですよ。もちろん形式上は公職選挙法に抵触する行為です。でも、僕の考えですけど、法律の主旨から考えると取り締まるのは難しいんじゃないかな。
中田 そういう「グレーゾーン」は結構あるよね。だからといって例えば僕が自分のブログに「今度の選挙で僕に一票入れて下さい、よろしくお願いします。」なんてストレートに書いちゃうと、これは絶好のチャンスだとばかりに、摘発されちゃうだろうけど(笑)。でもただ単に『今日は大雨でずぶぬれになっちゃいました』とかいう内容なら選挙中にいくらブログで公開したところで、選挙活動とは何の関係もないわけだから、なかなか摘発はできないと思うよね。
堀江 だから、そういうグレーゾーンをうまく利用している人たちも結構いるわけです。例えば選挙運動にしたって、「みんなでやれば怖くない」的なところがあって、僕なんか「それはいいのかなあ」って思いながら見ていますけど…。あまりに数が多くて取り締まれないっていうのもあるでしょうね。
中田 インターネットの前には、電子投票をしてはどうかっていう議論もあったんですよ。実現すればわざわざ投票所に足を運ばなくても投票ができるし、あるいは投票所に行ったとしても、簡単な画面操作だけで投票ができる便利なシステムにしようって。もちろん日本の技術力を持ってすれば、簡単に実現できるシステムですが、いまだに導入されていません。おかしいでしょう?僕はこの問題を国会議員時代に徹底的に議論したんですが、その「電子投票をやらない理由」と言うのが、皆さんが想像しているような高尚な理由じゃないんですよ。
要するに、古いタイプの政治家が自分の名前を投票用紙に書かせることにこだわっているから、というのが最大の理由。人間って、自分で書いた文字は覚えるでしょ?これまでずっと投票用紙に名前を書かせることで、政治家は有権者に自分の名前を覚えてもらってきたんですよ。だから苗字が同じ二世議員が票を獲得しやすいし。なのに電子投票が可能になって、ボタン一つで投票できるようになると、名前を覚えてもらえないから困るっていうのが彼らの考え方なんですよ。そんな低レベルな話で新しいシステムの導入ができていない。残念ながらこれが現状なんです。

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